学会参加報告① + 症例ポスター(閲覧注意)

 今年一番の寒気がやってきています。皆様におかれましては、いかがお過ごしでしょうか。私は秋になって蓄えた脂肪が多少役に立ってくれているようです。インフルエンザの流行も始まったようですので、師走の忙しい時期、皆様くれぐれもご自愛ください。

 ブログ更新が非常に滞ってしまいました。手軽に投稿できるフェースブックについつい日々の雑感を載せてしまい、当ホームページが手薄になってしまいます。誰もが見られる媒体としてのホームページにもう少し力を入れねばと、改めて思っています。

 今回は、11月初めにお休みをいただいて参加した米国獣医病理学会に関するシリーズの第1回です。今年はアメリカ南部のジョージア州にあるアトランタで学会が行われました。当学会は毎年秋に、北米(アメリカ、カナダ)のある程度大きな都市で開催されています。アトランタは日本人にもなじみのあるコカ・コーラやCNN等の大企業の拠点があり、1996年に当地で開かれたオリンピックの記憶もまだぼんやりと私の頭に残っています。ホテルから見渡すと、濃緑の絨毯のような木々の中に高いビルがにょきにょき生えていて、モダンで暮らしやすそうな印象を受けました。実際には治安の悪い地域もあるようで、学会会場の周辺も多少そんな雰囲気でした。

ホテルから撮影したアトランタの街です。

ホテルから撮影したアトランタの街です。

アトランタ空港のコカコーラ自販機は他所よりも大きい?

アトランタ空港のコカコーラ自販機は他所よりも大きい?

 学会日程は5日間ですが、私は日本での病理診断業務の報告遅延が気がかりで、いつも現地滞在は2日間程度です。本当は1週間くらいの日程で行きたいと思っており、そのうち実現したいと思います。往復の移動に2日間を費やしますので、学会の後はしばらく時差ボケ、睡眠不足のために疲労困憊します。北米への旅費(飛行機はいつもエコノミー)、宿泊費、学会参加費等もかかり、体も財布も少なからずダメージを受けますが、この学会に参加するとそれを上回るメリットがあります。一つは人とのネットワークづくりです。北米のみならず、欧州、中南米、アジア等から多くの獣医病理学関係者が集まりますので、毎年必ず新しい出会いがあります。旧友や恩師との再会も楽しみです。次は獣医病理学の情報収集です。学会で取り扱われている動物種、疾患、分析や診断の手法、国や地域、これらのバラエティーが非常に豊富で、獣医病理学がダイナミックでわくわくする学問分野であることを再確認できます。最後に、旅行好きの私にとっては、たとえそれが短期間で風光明媚な場所でなくとも、違った土地を訪れることそのものが楽しみです。空港や町で行き交う人々を観察し、時に会話し、初めてづくしの土地をうろつくのは、いつもエキサイティングな経験です。

 今回の学会参加報告は、”Image science in the 21st century: opportunities for pathology investigation and diagnostics”(21世紀における画像科学:病理学の研究と診断のための活用機会)という、学会開催前に開かれた丸一日のシンポジウムの感想と、面白いと感じたいくつかの口頭およびポスター発表について、次回から2回に分けてくどくならない程度に触れる予定です。そして、今回の学会で弊社が行った一つの挑戦は、学術発表です。現時点で累計72症例となる弊社の死後検査では、様々な貴重な知見が得られております。主治医の先生、動物の飼い主様や保護者様のみならず、病理診断医としての自分にも多くの恩恵をもたらしてくれる死後検査ですが、得られた貴重な教訓を学術的に社会に還元することで、その価値がさらに増すものと考えております。今回参加した米国獣医病理学会では、ちょっと変わった腹腔内出血(血腹)の犬の症例を取り扱ったポスター発表を行いました。以下にそのコピーを示しますが、病変の肉眼写真に不快感を持たれる方がいらっしゃるかもしれませんのでご注意ください。また、同様の症例の経験がある先生がいらっしゃいましたら、ご連絡いただければ幸いです。不明な点が多い病態のため、今後、症例数を集めてさらに検討していくつもりです。

PDF版の症例報告ポスターです

では、次回以降をお楽しみに。