愛媛移転に伴う診断業務の大幅変更について

平素より大変お世話になっております。

弊社は2019年2月末に東京都府中市から愛媛県今治市に移転いたします。ただし、移転後の検体のご送付先は愛媛県ではなく香川県になります。以下、移転に関する重要事項をご説明いたします。ご不明な点がございましたら遠慮なくお問い合わせください。
メール mitsui@no-boundaries.jp
電話 080-8904-3988(営業時間(月~土曜日9~18時。祝日を除く)内にお願いします)

<その①> 府中事業所(府中ラボ)を閉鎖します
・弊社府中事業所(東京都府中市)は、2月16日(土)をもちまして、病理検体(組織病理検査、死後検査とも)の受付を終了いたします。
・念のため、数日間の猶予期間を設けますが、2月23日(土)以降は宅急便、郵便の受付を停止いたします。
・弊社連絡先として2月23日(土)をもって042-315-4092の固定電話の番号が使えなくなりますが、その他の連絡先(ファクス050-3153-0639、携帯電話080-8904-3988、メールmitsui@no-boundaries.jpとhisto-nbap@dune.ocn.ne.jp)は従来通り使用できます。
・当面のスケジュールはこちらをご覧ください。 → 2019年2、3月 予定表

<その②> 富士フイルムモノリス株式会社様の診断請負契約が終了します
・今までご愛顧頂いておりました、富士フイルムモノリス株式会社様経由での診断業務は、2月22日(金)に弊社に到着するスライドを最後に、終了となります。
・以降は、富士フイルムモノリス株式会社様の他の病理診断医の先生方が引き継いでくださいます。他の先生が診断した後の「セカンドオピニオン」を三井が行う場合は有料となりますのでご注意ください。

<その③> 副業としての制約が生じます
・弊社における診断業務は今後も三井が行いますが、4月より大学教員の副業として行うことになりますので、迅速な結果のご報告や質問等へのご対応が困難となることが予想されます。
・診断結果をお急ぎの症例は、その旨を検査依頼書に明記いただくか、他社・他の診断医にご依頼いただく事をお奨めいたします。

<その④> 検査料金が変わります
・外注する作業工程が増えるため(検体切り出し、請求書作成等)、検査料金を改定させていただきます(2014年4月の、弊社直接受付診断を開始した時点の価格に「戻します」)。何卒ご理解をいただけますと幸甚です。
・検査料金表はこちらになります。 → ノーバウンダリーズ動物病理 検査料金表
・所見のみを割愛し料金を抑えた診断メニューを新しく加えましたので、状況に応じてご利用ください。所見を割愛しても、鏡検は通常検査と同様に詳細に行いますのでご安心ください。
・弊社では臨床病理検体(細胞診、塗抹等)は検査しておりませんのでご注意ください(組織病理検体に付随した「参考標本」としてであれば、無料で拝見しております。「染色済み」の細胞診スライド等をホルマリン検体とともにお送りください)。

<その⑤> 検体送付先と検査依頼書が変わります
・病理検体は全て、香川県の株式会社四国細胞病理センター様にお送りいただきます。
・株式会社四国細胞病理センター様における弊社検体の受付開始は2月18日(月)となります。
・株式会社四国細胞病理センター様が行っている検体集荷等のサービスは、弊社検体には適用されませんので、ご注意とご了承をお願い申し上げます。
・検査のご依頼書は専用の新しいものをご用意いたしました。ダウンロードされ、必要事項をご記入いただき、検体に同封して、検査依頼書下段に記載されている宛先へお送りください。送付にかかる料金は、大変申し訳ございませんが依頼主様でご負担いただくことになります(集荷や着払いの制度はありません)。
・従来の検査依頼書(府中ラボ用)は使用できなくなりますので、くれぐれもご注意ください。
・新しい検査依頼書はこちらになります。 → ノーバウンダリーズ動物病理依頼書(最新)

<その⑥> 死後検査については受入体制が変更になりました
・当HPの2019年6月23日の投稿をご参照ください。

以上、ご不便をおかけいたしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。

ノーバウンダリーズ動物病理
三井一鬼

2019年 新年のご挨拶兼雑記

改元を間近に控え、例年とは何かが違う、何となく異様な新年を迎えました。皆様におかれましてはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。

1997年春に獣医師になってから20年が過ぎ、振り返ると脈絡のない道筋をたどってきました。学生時代は病理学研究室に所属し、卒後すぐに青年海外協力隊員としてラオスに赴き3年間の途上国暮らし(家畜ワクチン接種啓蒙活動)。大学卒業時には大学院進学を勧めていただいたり、北海道NOSAIの大動物獣医師職に補欠合格したりしていたので、この時の選択でかなりその後が変わったかもと思いつつ…。ラオスより帰国して横浜で2軒の動物病院に勤め(1軒目は自分に未熟な点が多く散々な結果に。2軒目でみっちり鍛えていただいたものの、その過程で臨床向きでないことに気づく)、4年を過ぎる頃に再び途上国を将来の目標に設定し、手段として病理(電気が無くてもできる「検査」は病理だけ)を学びなおす決意をし、獣医病理学の最高峰であるアメリカに留学することを決め、JICAの奨学金を勝ち取る。横浜にいる間に結婚し、長女が生まれました。アメリカには妻子を連れて、家財一切を処分して飛び、大学の古~いアパートに入居して1週間は固い床に寝袋を敷いて眠りました。英語は半年ほどして耳が慣れてくるまではちんぷんかんぷん。トウモロコシ畑が麗しいインディアナ州のPurdue大学で、教官と仲間に大いに恵まれ、「病理漬けヒタヒタ」の3年間の修士大学院生兼病理レジデント生活を経て、米国の獣医病理専門医資格と修士号を取得。アメリカで次女が生まれたものの、仕事(助産師)がしたくてもできないで悶々としていた妻は、子ども2人を連れて実家のある屋久島へ帰国し、私に試験前1年間の貴重な勉強時間を与えてくれました。さあ、念願の途上国を飛び回る専門家になるぞ!と思っていたらまさかのリーマンショックのためJICA専門家への視界が急速に不明瞭化し、日本に戻って民間の(外資系の)診断会社に就職(そこで家族と合流)。この会社では病理検査部門の立ち上げに奔走し(スーツ着て営業さんと一緒に病院回り、セミナー講師で会社と自分の名前売り等々)、まあまあ軌道に乗ってきたところで東日本大震災を経験。日頃のストレスもあり身体(と、おそらく心も)を壊す。毎日プレパラートの山を減らす(組織診断業務)だけ、週末は偏頭痛の生活に疑問を感じ、病理診断医の古典的2大業務の一つである死後検査業務の立ち上げを画策し社長や上司にプレゼンして持ち掛けるも拒否され、独立を決意(優秀な後任を斡旋したうえで)。会社勤めは結局4年間でしたが、自分は休みよりも欲しいものがあるとはっきり実感できて感謝。独立したのが2012年、初めは自宅(自部屋)で約1年間公私の境が曖昧な勤務を経験、剖検は初代往診車バモスで走りまくる。次に農工大多摩小金井ベンチャーポートという東小金井のインキュベーション施設を見つけて審査に通って移って1年半、「あ、自分はベンチャー起業家なの?」と少し錯覚。ただ毎日窓から見えるのは暗い壁ばかりで、施設内で剖検をしてもいいという約束で入ったが剖検をしないようにと貸主からのプレッシャーが徐々に強まり、かといって往診を増やすと組織診断に時間が割けないため(この時往診車はフィットになる)、自施設でのびのびと剖検も組織診断もできるように、東京農工大学農学部そばの民間テナントに入る。それが現在の弊社拠点で、理解のある貸主に助けられ業績も伸び、農工大獣医学科の先生方とのコラボレーションも活発になり、従業員も雇いと、プチ順風満帆を味わう(往診車は3代(台)目ジムニーシエラへ)。

そして。

あと2ヶ月ほどでお世話になった府中の地を離れ、実家も自宅もある小平市もあとにして、愛媛県から瀬戸内海に向けて生えている角の先端右側の「今治(いまばり)」にお邪魔します。大学名よりも母体経営組織名で呼ばれることの多い学校ですが(まあ、皆さん、自分の母校がそう呼ばれたらどんな気持ちになるか想像もつかないことでしょう)、また、いくらもらうのとか(まあ、普通のプチ順風満帆な人なら見向きもしない額でしょう)、学位がないのに?とか(まあ、「学位」が博士号しか意味しないのは日本だけと思いますし、博士号がない教員はアメリカにもたくさんいましたが)、政治的意識の強い団塊世代ど真ん中の親からの複雑な視線を浴びたりとか、ネガティブなこともあります。ただ、自分としては、ポジティブなことの方が圧倒的に勝り、これから一緒に仕事をする先生方、共に学ぶ学生さん、お世話になる土地の人々、研究活動や論文を書くことが仕事になること、そして、私の獣医師としての原点であるラオスへの恩返し(ラオスに獣医大学を作るという目標)への第一歩になることを想うと、ワクワクする気持ちを抑えられません。私の家族は、常に家にいる父親を必要としていないようですので、安心です。いままでの主業務である組織病理診断の件数はかなり減らさないとなりませんが、それは大学教員がメインになる自分にとって診断会社の経営は副業にあたるためにやむを得ないことであり、ティーチング、研究活動、組織人としての諸事に、今春より精一杯取り組んでまいります。特に私がサラリーマンを辞める強い動機になった、私のライフワークたる死後検査autopsy, post-mortem examinationは、今治に行ってから体制を強化していくつもりです。今まで何となく曖昧な扱いであった、動物の死に対する学問的な整理整頓を進めてまいります。死は終わりでもあり始まりでもある。ただ、それに肉薄するには様々なハードルがあります。ハードルの一つ一つを、他の専門家や学生、一般の方々と共に、明らかにして取り除いていきます。

どうぞ本年もよろしくお願いいたします。

ノーバウンダリーズ動物病理
三井一鬼