ジャーナルクラブを始めました

お世話になっております。冬の「峠」である2月に入りました。皆様はいかがお過ごしでしょうか。

商売柄、獣医系・病理系の科学雑誌(ジャーナル)をいくつか定期購読しておりますが、自由時間が減ってきたのと、モチベーションが下がってきたのとで、読まずにあるいは流し読みだけで本棚に行く羽目になる号が増えてきました。これではさすがにアカンということで、先月末から知り合いと一緒にジャーナルクラブを始めました。予め決めた論文を互いに読んできて、当日それについてあれこれディスカッションをしたり、作った小テストを出し合ったりするというものです。本日が2回目でしたが、やはり誰かと一緒に勉強するというのは緊張感と、思いもよらないインプットがあり、とても有意義であると実感しております。皆さんも、一人で息詰まるときは、誰かとゆっくりでもいいので進んでいくことをお奨めします。

1月の剖検依頼は1件だけで、爬虫類でした。ただ今、組織病理検査のパートを行っており、死因に関係したり無関係だったりする非正常所見を、顕微鏡の上で眼をギョロギョロさせながら探しております。検査というものは何か有意な所見が得られるのが「正解」というわけでもなく、正常にしか見えない(なのに不調や死が訪れた)というのも科学的に価値のあることです。形態学だけで説明がつかない異常など世の中にはゴマンとあり、病気の裏側をみるために人は工夫を重ねます。だからこそ、形態学を武器とする者として、視野を通過する細胞や組織から、なるべく多くの意味や価値を拾い上げられるように、まだまだ勉強しないとな~と思います。

では、春に向けて、そしてコロナトンネルの出口に向けて、もうひと踏ん張りしてまいりましょう。

三井一鬼