こんにちは。いつもお世話になっております。
昨年3月に「獣医法医学の時代が来る?」というブログを書きました。実際にそんな時代が来るのか?といぶかる方もいらっしゃると思いますが、実はもう来ています。アメリカでは何年も前から、動物虐待等の対策として多くの人々が獣医法医学のコンセプトや実技について、手探りながらも活発に考えたり実践したりしています。弊社の死後検査においては、これまでに地域猫(特定の住処がなく、地域の人々が食事等の世話をしている猫)、飼育猫、飼育犬を合計数例扱いました。いずれも、「毒殺されたのではないか」「事件性があるのではないか」等の理由で依頼があったのですが、犬の1例は実際に毒殺のようでした。ただ、検査を完遂するための技術や補助検査、関係者間のコミュニケーション、報告の仕方、料金体系等について、現状では様々な問題や制約があることがわかりました。
本日、かねてから読んでみようと考えていた教科書が2冊届きました(あわせて日本円で2万円ほど)。幸いにしてどちらもそれほど分厚い本ではありません。まずは仕事の合間に少しずつ読み進め、自分自身のこの分野についての理解を多少なりとも深めたいと思います。もしかしたら、読書会、研究会のような形にして、興味のある方と一緒に読み進めてもよいのかもしれません。人の法医学に比べるとはるかに未熟なものではありますが、ニーズが確実にある獣医法医学を、より身近なものにしていければと思っております。
ノーバウンダリーズ動物病理
三井