いつもお世話になっております。夏本番で毎日ビールとアイスがうまい!、のはずが、変な天気続きで戸惑っております。
昨日8月21日(月)に行った第22回のミニ勉強会は前回に続き、東京農工大学の井手先生をお迎えして、臨床からのインプットをいただきながら行うことができ、大変有意義でした。もう一かた、獣医病理学教室の学生さんも参加してくれて、いつになく活発な会となりました(Q&A集もページが増えました)。先生方、誠にありがとうございました。
今回行った内容は以下の通りです。
1.獣医病理教科書Q&A Q&A集 肝臓その2、膵臓
肝臓と膵臓について、目から鱗を落としながら学びました。臨床で膵炎と呼ばれているものには、発生メカニズムや細胞構成が異なるものがいくつか含まれています。ですので、検査の結果や治療への反応が期待を裏切ることが時々起ります。病気の成り立ちを知った上で検査や治療をすれば、患者さんを効果的にケアできることになりますので、是非臨床の先生方には病理医とよく相談して臨床上の疑問を解決していただければと思います。
2.死後検査症例検討
・血管肉腫によって死亡した犬2症例の紹介(by河村)
血管肉腫は特に犬にとっては致命的な悪性腫瘍です。この腫瘍がどこにどんなふうに出来るかによって、しかしながら、亡くなり方がかなり異なります。臨床的に何ともない早い段階でこれらが見つけられていたらどんな対処が可能だったろうか、もう少し寿命が延びたのだろうか、そんな基本的なディスカッションがわが国ではあまりなされなくなりました。これからも細々と死後検査をアピールしてまいります。
当勉強会の構造・やり方については、本年3月17日の投稿をご覧ください。次回第23回は、2017年9月25日(月)午前10時から2時間ほど行う予定です。ご都合のつく方はおいでください。
次回のQ&AコーナーはPathology of domestic animals 6th edition, Vol.2, Chapter 4 Urinary System, p.376-421(Diseases of tubulesの手前まで)が予習範囲となります。泌尿器系の章は2回に分けてカバーしていきますが、興味深いトピックが満載ですので、大いに今後の診断や治療の役に立つことでしょう。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
ノーバウンダリーズ動物病理
三井