平素よりお世話になっております。何となく、春が見えてきた気がします。
今週はじめ、東久留米市立第十小学校の4年生のみなさんを対象にしたお話し会に行ってまいりました。「命ってなんだろう」と考える授業の一環で、私がお話しするのは今回が3回目になります。もともとは高校時代の水泳部仲間が当校に勤務していた縁で招いていただきました。
今年も例年と同内容で進めました。動物の病気を治療する、検査する、予防するという獣医師の役目の中で、死んでしまった動物からしっかり学ぶことで他の命や次の命を救うことができる「病理解剖(死後検査)」のことを、生々しい写真も交えてお話ししました。死を身近に感じる機会が減っている現代日本社会において、動物の死は貴重な教材ではないかと常々感じていますので、こども達の反応を確かめながら45分を共有しました。後日感想文が送られてくる予定ですので、どんなことをくみ取ってくれたのか楽しみにしています。毎年、こちらがびっくりするようなことが書いてあります。
どんなに個性豊かな「生」を送っても、死んでしまえば臓器・細胞の集合体、骸(むくろ)に変わってしまいます。だから生きていることは大切なんだ、命を大切にしなくてはならないんだ、と言えます。しかし、病理医は骸にも個性があることを知っています。命のリサイクルというと簡潔化しすぎですが、これからも、皆が蓋をする、目を背ける大事なことに取り組んでいかねばなあと思いつつ小学校を後にしました。
来年もまた機会があればお伺いしますね!
ノーバウンダリーズ動物病理
三井