いつもお世話になっております。
ハロウィーンがすっかり行事として定着した感があります。思えばすごいことで、他国の風習を10年くらい(?)で「年中行事」に仕立て上げてしまうこの現象は一体どういうものなのか、病理医として興味があります。マクロの社会現象が、ミクロの体内の現象とよく似ているという例はよくありますので、マクロとミクロの研究者の交流なんかしてみると、互いに得るものが大きいのでは、と夢想します。ちなみに弊社では「じゃがりこ」を用意して子ども達を待っているのですが、さて、どうなりますことやら。
10月22日(土)に行った第12回のミニ勉強会には、ゲスト2名を含めて4名が参加しました。いつも都合をやりくりして参加していただき、ありがとうございます。JCVP合格の弊社河村に拍手をしている、半分ヤラセ写真です。
今回は以下のような内容でした。
1.獣医病理教科書Q&A by 全員 Q&A
耳の病理について、今回読まなければおそらく一生学ぶことはないなと思いましたので、貴重な機会でした。
2.死後検査症例検討会
①「エチレングリコール中毒が強く疑われた猫」 by 河村
不審な同時多頭死の症例で、獣医大学や捜査機関も原因追及に関わっています。エチレングリコール中毒はある意味有名な病態ですが、この時に起こる肺水腫の発生機序についてあまりうまく説明がつきませんでした。
②「尿道閉塞で死亡した猫」 by 三井
「尿閉は下手したら亡くなる」(それだけ緊急度の高い疾患である)と言いますが、実際に亡くなるメカニズムはよくわかっていないということがわかりました。
3.組織病理症例検討会
「豚のganglioneuroblastoma」 by 吉村先生(日本獣医生命科学大学)
見慣れない若齢豚の腫瘍について、複数の免疫染色の結果もあわせて説明していただき、大変勉強になりました。
当勉強会の構造・やり方については、本年4月4日の投稿をご覧ください。次回第13回は、11月12日(土)13時スタートとなりますので、参加ご希望の方はご連絡ください。生検や剖検の症例発表は、参加者の持込も歓迎しますので、パワーポイントあるいは印刷したレジュメ、実際の組織スライド等を持参していただければと思います。持込症例がない場合に、当社の症例発表をすることにします。
次回はPathology of domestic animals 6th edition, Chapter 6 Integumentary System, p.509-558. Physicochemical diseases of skinの前までが予習範囲です。非常に長い章ですので、読破には来年までかかる予定です。皮膚病理は特殊な用語が多く、疾患も非常に多岐に渡りますので、手ごわい章ですが、じっくりと取り組んでいきましょう。
今後とも、よろしくお願い申し上げます。
ノーバウンダリーズ動物病理
三井