今年も早いもので、最後の3カ月に突入しました。残暑かと思えば冷たい風が吹き、体調の維持に一苦労です。皆さまも、くれぐれも体調にお気を付けください。
さて、10月8日(土)に行った第11回のミニ勉強会には、ゲスト2名を含めて4名が参加しました。お忙しい中いらしていただき、ありがとうございました。「参加してみたいけれど、土曜日は無理」という方もいらっしゃるようです。どの曜日にしても誰かしら何かしら不都合は出てくるので、ご意見があればメールやフェースブック等で教えてください。検討させていただきます。
今回は以下のような内容でした。
1.獣医病理教科書Q&A by 全員 第11回ラウンドQ&A集
2.死後検査症例検討会
①「多発性リンパ腫(中~大細胞型、主病変は小腸)、副腎皮質腺腫、甲状腺濾胞細胞癌を示した猫」 by 河村 (この患者さんのリンパ腫はCD3、CD20、Granzyme B陰性で、獣医療におけるリンパ腫の診断の難しさや限界を感じました。また、内分泌腫瘍の組織学的診断クライテリアについて、人の病理学会に参加した河村から有意義な情報提供がありました)
②「左心房の血栓症と肺水腫・胸水を示したシリアンハムスター」 by 三井 (調べてみると40年くらい前から報告されている、この動物種においては割とメジャーな疾患でした。ただ、病理発生機序についてはよくわかっておらず、今後類似症例の積み重ねと精査を続けなければと思いました)
3.おまけ
「植物組織病理にチャレンジしてみた!」 by 三井 (植物の細胞は「細胞壁」を有しているのが特徴ですが、動物と同じやりかたで組織切片ができたことにびっくりしました。勿論、この分野で研究やお仕事をされている方々が大勢いらっしゃるはずで、もっといい方法があるには違いないのですが。顕微鏡を覗くときのワクワク感がすごかったです)
当勉強会の構造・やり方については、本年4月4日の投稿をご覧ください。次回第12回は、10月22日(土)13時スタートとなりますので、参加ご希望の方はご連絡ください。生検や剖検の症例発表は、参加者の持込も歓迎しますので、パワーポイントあるいは印刷したレジュメ、実際の組織スライド等を持参していただければと思います。持込症例がない場合に、当社の症例発表をすることにします。
次回はPathology of domestic animals 6th edition, Chapter 5 Special sensesの最終回で、p.488-508(耳)が予習範囲となります。とてもマニアックな分野ですが、この分野の素人が最低限知っておくべきことについて、学んでいきたいと思います。その次はいよいよ「皮膚病理」の広大な世界に足を踏み入れます。
今後とも、よろしくお願い申し上げます。
ノーバウンダリーズ動物病理
三井