9月ももうすぐ終わろうとしています。今夏は各地で台風が猛威を振るい、甚大な被害が出た地域が多数ありました。被災された地域の皆様には、なんとか普段の生活と活力を取り戻してほしいと切に願っております。
さて、9月24日(土)に行った第10回のミニ勉強会には、ゲスト1名を含めて3名が参加しました。
今回実施した内容は以下の通りです。今回のQ&Aは「眼」の疾患の前半部分をカバーしました。獣医臨床において眼科は年々人気が上昇している分野で、白内障の手術なども当たり前のように行われるようになっています。獣医病理医としても、腫瘍ばかりでなく、眼に起こる多様な疾患について、基礎の発生学や組織学を踏まえた上で的確に診断し、臨床家にフィードバックできるようにならなければなりません。まさに目から鱗が落ちる情報が多く含まれていて、読み応えがありました。
1.獣医病理教科書Q&A by 全員 第10回ラウンドQ&A集 眼(前半)
2.死後検査症例検討会
①慢性肝炎が疑われた犬 by 三井 (肝性脳症の際に大脳に見られるAlzheimerⅡ型星状膠細胞、奇妙な心筋線維の空胞形成等、多彩な病変を示していました)
②カルシウム代謝異常が疑われたグリーンイグアナ by 河村 (最近始めた「産業・展示動物の病理検査」の記念すべき第1号症例。諸臓器の病理所見を細かく調べ、生きていた時に起こっていたであろう病態を推測し、飼養管理の改善に役立てていただくのが、この検査の非常に重要な目的です)
3.生検症例検討会 by 三井
当勉強会の構造・やり方については、本年4月4日の投稿をご覧ください。次回第11回は、10月8日(土)13時スタートとなりますので、参加ご希望の方はご連絡ください。生検や剖検の症例発表は、参加者の持込も歓迎しますので、パワーポイントあるいは印刷したレジュメ、実際の組織スライド等を持参していただければと思います。持込症例がない場合に、当社の症例発表をすることにします。
次回はPathology of domestic animals 6th edition, Chapter 5 Special sensesのp.441-488(眼の最後まで)が予習範囲となります。眼科臨床に携わっている先生方、病理分野から見る眼科について、ざっと読んでみるのも面白いと思いますよ。眼科は、臨床と病理のギャップがわりと大きい分野な気がしますので。
今後とも、よろしくお願い申し上げます。
ノーバウンダリーズ動物病理
三井