平素よりお世話になっております。
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)という、ダニが媒介するウイルス病が急速に全国に広まりつつあります。弊社が実施している、主として伴侶動物の、有料の死後検査においても、今後SFTS疑い、あるいは、確定症例に遭遇しないとも限りません。「生前の臨床情報からSFTSウイルス感染が疑われる」、「生前の検査でSFTSと確定された」、「臨床情報も検査結果もわからない死亡個体においてSFTSウイルス感染の可能性が排除できない」、といった場合に弊社の死後検査は以下のように実施します。
・ご遺体の解剖は出張、持込、送付のいずれにおいても、適切な装備をした私一人で行い、同じ空間での見学、補助、付添等は不可とします。出張(首都圏のみ)の際は、隔離と消毒が可能な部屋をご提供いただきます。
・解剖後、装備は全て次亜塩素酸ナトリウム等、しかるべき消毒薬で消毒し、適法に廃棄(専門業者による医療廃棄)します。
・解剖時に採取した検体を国立感染研究所等の専門家に送付し、SFTSウイルスの有無を検査します。
・SFTS疑い症例では、コスメティック処置を施してご遺体を返却するオプションは原則「なし」とし、ご遺体は密閉し、その後の取扱(火葬や、ホルマリン浸漬による殺ウイルス処置後の医療廃棄)をご相談します。
・組織検査の前段階であるホルマリン固定は殺ウイルス処置に他なりませんので、組織検査は通常通り実施します。
弊社は公共検査機関ではありませんので、死後検査には既定の料金をお支払いいただきます(当HP参照)。言い換えれば、弊社が通常実施している死後検査を、より慎重に、コスメティック処置の選択肢「なし(原則)」で行う、とお考えください。
ご不明な点等ございましたら mitsui@no-boundaries.jp あるいは 080-8904-3988 までお知らせください。よろしくお願い申し上げます。
ノーバウンダリーズ動物病理 獣医師 三井一鬼